ネットの分かりやすい情報の大半が間違っている理由

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こんにちは。

 

少し前にイギリスのEU離脱の背景について調べていて、ネットの情報は割と間違っているなあと思ってしまったことがあります。

最近EUとの間で離脱の交渉で合意したのがニュースになりましたが、今回調べていたのはイギリスがEUを離脱しようと考える原因になった国内事情です。

イギリスは海外からの移民や難民に不満を持っていたのですが、その理由説明がネットでは適当でした。

イギリスが不満を持っていたのは(もっと稼ぎたいなど経済的な理由を背景にした)移民だったのに、ネットではシリア難民が大量にやってきてそれが理由だなどと書かれていました。

でも正しくは、イギリスに大量に流入しているのは、シリア難民ではなく東欧などからの移民。

 

今回の記事では、どうしてネット上の分かりやすい説明の大半は間違っているのか、私の思うところを、説明しようと思います。

 


・「内容を理解した上での(本質を理解した上での)分かりやすさ」と「表面的に調べただけの分かりやすさ」は一見似ているが、全然違う。

・ネット上に溢れる分かりやすい説明の大半は、後者(表面的に調べただけの分かりやすさ)が大半。


物事を分かりやすく説明するにはステップがある

 

物事を分かりやすく説明するには、ステップがあります。

 

・情報を収集する

ある物事について説明するとき、まずは情報を集める必要があります。

何か知りたいことがあるとき、今の時代であれば、googleやYahoo!検索を使って調べるのが普通でしょう・

例:イギリスがEUに不満を持っているのは、外国から人(移民・難民)がたくさん入ってきていることが原因だ。

 

・さらに細かい情報を収集する

上で集まった情報は大まかな情報です。対象についてさらに深く理解するためには、もっと細かい情報まで知っていく必要があります。

例:外国から入ってきているのは、実は大半が東欧からの移民(東欧移民)。イギリスは国境審査を行っているので、難民に対しては入国拒否を行える。つまり、イギリスが不満を持っているのは、難民ではなく移民。

 

・それらを理解する(抽象化)

参考書やニュースサイトに色々説明があったとしても、必ずしも全て理解できるわけではありません。

わからないところについて調べて、情報を整理して理解していく必要があります。

例:東欧移民とは?そもそも東欧とは?どうして東欧の人はイギリスにたくさん入ってこれるのか?

 

・その情報を分かりやすい情報として説明する(具体化、捨象)

たくさんの情報が集まったとしても、分かりやすく説明するためには、必要のない情報が多すぎます。

必要な情報を選び出し、かつそれを分かりやすく具体例などにして説明する必要があります。

 

労力が全然違う

 

上の説明でいえば、ネットに落ちている“分かりやすい説明”というのは、大半が第1段階の「情報を整理する」で止まっています。

もっと厳しく言えば、ニュースサイトなどで書かれている情報の重要なところ(赤字や太字になっているはず)をかいつまんで、それを分かりやすく噛み砕いて説明しているだけ。

しかも、因果関係がはっきりしないところは自分で勝手に理由を想像して説明したりするので、間違っていたりします。

 

また、現実は一言で説明できるほど簡単で分かりやすいものではありません。

イギリス離脱の例で言えば、イギリス人が不満を持っているのは、単に移民がやってきてイギリス人の“純血”が失われると思っているだけではありません。

例えば、移民が多くなった結果、公共のバスが混雑したり、NHS(日本の国民皆保険制度にちかいもの)に無料でアクセスできて病院が激混みになったことなどに不満を持っている可能性もあります。

しかも、離脱に投票したのは都市部よりも地方の割合が高く、年齢で見ても高齢者の方が離脱を支持しています。

そのような複雑な現実の中から、最も正しいと思われる説明を選び出し、誤解なく分かりやすい説明をせねばなりません。

 

それ本当の“分かりやすい説明”なのですが…

 

初心者にはその違いがわからない

 

しかも最悪なのは、説明を受ける側である初心者には”表面的に分かりやすい説明”と”本質を理解した上での分かりやすい説明”の違いがわからないことです。

知っている人が見れば、前者の説明の間違いや思い込みの説明がすぐにわかるのですが、初心者には分かり得ません。

 

また、前者の説明の方がよりキレがあるので、前者の方が評価されがちになってしまいます。

 

学者はその中間になりがち

 

学者の説明が良く分かりづらいと言われるのは、”表面的に分かりやすい説明”と”本質を理解した上での分かりやすい説明”の中間にいるからです。

 

学者はある物事について、その詳細に至るまで様々な情報を知っています。

ただ、最後のステップである「その情報を分かりやすい情報として説明する(具体化、捨象)」の点ができていないのです。

 

前者を目指そう

 

これから私たちが人に物事を説明するにあたって、目指すべきは”本質を理解した上での分かりやすい説明”です。

 

もちろんこちらの方が労力はかかるし、必ずしも切れ味が良い説明ができるわけではありません。

むしろ現実世界は様々な要素が作用し合っているので、まどろっこしい説明になりがちです。

ただ情報を説明する側として目指すべきは、こちらなのではないでしょうか?

記事は以上です。

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