最近流行りの『海外の反応』にそろそろ飽きてきた件
最近の日本の風潮
最近といっても、5年程前くらいからでしょうか、『海外の反応』と題して外国人から見た日本の良さについて語る掲示板や記事、ニュースが多いなあと感じます。
その大半が日本のいいところを見つけて礼賛するというお決まりのパターン。「ニッポンノギジュツニオドロキマシタ」とか、「和の文化っていいデスネ」とかそんなもんです。
逆に批判する記事はあまり見かけなくなりました。(2000年代後半までの)ひと前昔は逆で、日本の欠点やダメなところ――例えば長時間労働と過労死の多さや、体格的に欧米人・黒人に劣っているところなどですが――を指摘しているものが多かったです。悲観的日本論とでも言いましょうか。
確かにスゴイデスヨ。新幹線の定時運行や、世界を席巻するアニメ文化、東日本大震災でも暴動や略奪が起きずみんなじっと我慢していたことからわかる礼儀正しさや我慢強さなど、スゴイーデスネ。と、厚切りジェイソンもいいそうです。
『海外の反応』ばかりで嫌になる。それどころか海外の批判まで。
でも、もう飽きました。
悲観的日本論が日本中に充満していて、何というか「もうダメだ」みたいな空気が漂っていた2000年代前半に、「日本は素晴らしい国だ」と主張する人がいれば、目新しさがあったかもしれません。実際、私も興味を持ったと思います。
でも、最近数年は日本を礼賛する記事やテレビ番組ばかりで、全然面白くないです。日本人の賢さや技術の高さなど、同じような内容ばかりで飽きてしまいました。一般の人の多くがそのような情報を求めていて、日本礼賛論を扱った方が視聴率や閲覧者を獲得しやすいんでしょうね。まあ、需要があるからやっているわけで、ある程度は仕方ないかもしれません。
確かに百歩譲って日本礼賛だけならいいですが、『中国・韓国の反応』を引用して中韓の悪口をたたくという有様です。冗談で中国とか韓国に対する偏見を言っているならいいんですが、どうも中国韓国への偏見を真剣に信じていそうなネットの意見。
『(`ハ´)中国・韓国の反応』みたいな見出しから、偏見を展開していきます。
実際に、日本の優れたところであった科学技術や経済力などをとっても、勢いのある韓国企業(サムスンなど)や中国企業に勝てていませんし、「マーケティングは失敗しても、我々は優れた技術を持っているんだ!」と半ば負け犬の遠吠え気味に叫んでも、じゃあ仮に予算や時間があったとして韓国・中国企業以上のものが作れますか?という話。
つくれないでしょう、、、。あんなにうっすい最新のスマホやノートパソコンを、日本メーカーが作れそうもありません。スマホやノートパソコン製造の場合、現在は中国に世界中の機械メーカーの生産拠点がありますので、技術的な問題で日本が作るのは厳しいのは分かります。しかし、他の業種・分野においても現実に日本企業よりもあっちの企業の方が技術的にも進んでしまった場合がありますし、そういったことがこれからますます増えていくでしょう。
日本を褒めちぎる一方で、中国韓国をバカにしているのではなく、現実問題として彼らの実力が伸びてきていることを直視しないといけない時期になっていると感じます。
現実を直視して、彼らの優れた点は何かをしっかし分析して、勉強することも大切でしょう。
取り敢えず最近の日本礼賛ばっかりは気持ち悪いです笑
他者不在の日本礼賛論も嫌い
端的に言うと今の日本礼賛論は、自分の長所を褒めてもらうことにしか興味を持たず、相手の長所には全く興味を示さないようなものです。
例えば、年ごろの女の子があなたに「私のどういうところが可愛い?」「私の良いところって何?」とかマシンガンの様に聞いてくるとしましょう。
あなたは「スタイルが良くて可愛いね」とか「優しくて気配りができるところが長所かな」などと答えてあげるわけです。逆にあなたは「じゃあ、私のいいところは?」と聞きました。
その子「知らん。興味ないわ」
と答えました笑。これはさすがにひどいです。
現実に当てはめると、この残念な子が日本です。
「日本のいいトコロって何?」と積極的に海外から情報を集めるくせに、外国のいいところはほとんどチェックしない。知ろうともしない。
最近のニュースで行くと、「安倍マリオに世界が驚く」「台湾人もジブリが好きだ」などが挙がっていました。
しかし、リオの閉会式を一部でもいいから見て、他の国の選手やパフォーマーに注目した人はほとんどいないでしょう。日本人の大半は「世界から日本が注目された閉会式だった」という感覚しか残っていません。どんな閉会式だったか知っている人はほとんどいません。安倍マリオが注目されたのは、閉会式のほんの一瞬だったかもしれません。
また、台湾人がジブリ映画を好きになってくれるのは日本人として嬉しい限りですが、私たちは台湾がどんな国でどんか文化なのかについて全く知りません。(下の写真は『千と千尋の神隠し』のモデルとなった台湾の九份(キュウフン)です。実際に行った時の写真です)
人間関係でも、他人のいいところを探そうとせずに、自分ばかり褒めてもらおうとしても関係は上手くいきません。国レベルでも同様で、褒めてもらうばかりでなく、他国のことにも少しは関心を持ってもいいのかなと思います。
実際他の国を見ても、自国のいいところは腐るほど紹介するけど、欠点は全然公開しない国々(日本周辺にもたくさんありますね)も多いですので、日本が特殊という訳ではありませんが。
最後に
『海外の反応』が多すぎて、飽きました。一番言いたいことはコレです。
あと因みに、私は中国や韓国の主張をすべて受け入れろと言っているわけではありません。個人的には、歴史問題では中国韓国がおかしいところもたくさんあるわけで、現実の状況を見て、彼らの優れたところは認めないといけないね、ということです。
ではでは、、、
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