秘境駅だけじゃない!山岳鉄道も楽しめる『飯田線』に乗ってみた

シェアしてもらえると大喜びします!

 

水窪駅の様子③

 

こんにちは。キング・ブログ・スライムです。

 

少し前まで京都から北陸・岐阜を回って、東京に戻るという18きっぷ旅行をしていました。

京都金沢間は北陸本線で移動し、富山岐阜間は高山本線を使いました。※それぞれの記事に移動します。

 

帰りは岐阜県の大垣駅から、東海道線を使って東京の八王子駅まで移動する予定だったのですが、それじゃあ何度も使ったことがあるのでつまらない、もっと面白い路線がないのかと思っていました。

 

色々調べているうちに、愛知県の豊橋駅から長野県の辰野駅を結んでいる秘境路線の「飯田線」なるものがあると知りました。

ということで、東海道線で平凡に帰る予定を急遽変更、飯田線を使って東京まで帰ってみることにしました。

スポンサーリンク

飯田線のあれこれ

 

大嵐駅②

 

下は私が作成した概略図です。豊橋から辰野(もしくは岡谷)を結んでいます。

 

飯田線概略図

 

・秘境駅で有名

豊橋と辰野という、そんなに有名でもない駅を結んでいるにもかかわらず有名な飯田線

その最大の理由は、小和田駅、中井侍、金野駅など、全国に名だたる秘境駅をたった1路線に抱えている点です。

秘境駅については、後からレポートしていきます。

 

・でも、後半(飯田~岡谷)の山岳鉄道感も面白い

私が個人的に面白いと感じたのは、中盤(長篠城~天竜峡)の秘境駅祭りだけでなく、カーブや高低差が激しい山岳鉄道感満載の後半部分です。

後ほど紹介しますが、「田切のΩカーブ」という珍しい半円状の急カーブや伊那本郷駅付近の”凹”など、けっこう名所が多いのです。

 

・複数の私鉄が統合されたキメラ路線

もともと複数の私鉄(豊川鉄道・鳳来寺鉄道・三信鉄道・伊那電気鉄道)が合併してできた路線です。

駅間距離が短く頻繁に駅があるのが、地方路線らしからぬところ。例えば、出馬~上市場の間は、出発した瞬間に「まもなく上市場です~」と車内アナウンスが流れるほど。

因みに、駅間距離は0.6kmと路面電車並みです(笑)

 

・豊橋~岡谷直通は、1日2本

終着駅の岡谷駅まで直通する列車は非常に少ないです。

2017-08-27現在のダイヤでは、平日休日ともに10:42豊橋発と14:42豊橋発の2本が岡谷駅まで直通運転します。

 

・私が乗った列車

私が乗ったのは、8月26日土曜日の10:42豊橋駅発岡谷行きです。

 

停車駅は何と93駅

そして所要時間は、、、6時間49分

いやもうこれまでに体験したことがないレベルの列車です(笑)

 

下にすべての停車駅と発車時刻を書いておきます。

 

10:42 ○豊橋
10:48 ○小坂井
10:51 ○牛久保
10:55 ○豊川
11:00 ○三河一宮
11:03 ○長山
11:06 ○江島
11:09 ○東上
11:16 ○野田城
11:20 ○新城
11:22 ○東新町
11:24 ○茶臼山
11:27 ○三河東郷
11:34 ○大海
11:37 ○鳥居
11:40 ○長篠城
11:59 ○本長篠
12:04 ○三河大野
12:08 ○湯谷温泉
12:14 ○三河槙原
12:18 ○柿平
12:21 ○三河川合
12:27 ○池場
12:31 ○東栄
12:36 ○出馬
12:38 ○上市場
12:41 ○浦川
12:43 ○早瀬
12:45 ○下川合
12:50 ○中部天竜
12:52 ○佐久間
12:58 ○相月
13:01 ○城西
13:05 ○向市場
13:08 ○水窪
13:14 ○大嵐
13:19 ○小和田
13:25 ○中井侍
13:32 ○伊那小沢
13:35 ○鶯巣
13:39 ○平岡
13:45 ○為栗
13:51 ○温田
13:54 ○田本
13:59 ○門島
14:04 ○唐笠
14:08 ○金野
14:10 ○千代
14:16 ○天竜峡
14:18 ○川路
14:21 ○時又
14:25 ○駄科
14:27 ○毛賀
14:30 ○伊那八幡
14:33 ○下山村
14:35 ○鼎
14:39 ○切石
14:50 ○飯田(長野県)
14:52 ○桜町(長野県)
14:54 ○伊那上郷
14:59 ○元善光寺
15:02 ○下市田
15:04 ○市田
15:08 ○下平
15:10 ○山吹
15:23 ○伊那大島
15:30 ○上片桐
15:33 ○伊那田島
15:42 ○高遠原
15:44 ○七久保
15:49 ○伊那本郷
15:55 ○飯島
15:59 ○田切
16:08 ○伊那福岡
16:11 ○小町屋
16:21 ○駒ケ根
16:24 ○大田切
16:28 ○宮田
16:30 ○赤木
16:37 ○沢渡
16:39 ○下島(飯田線)
16:44 ○伊那市
16:46 ○伊那北
16:50 ○田畑
16:53 ○北殿
16:56 ○木ノ下
17:02 ○伊那松島
17:06 ○沢
17:09 ○羽場(長野県)
17:13 ○伊那新町
17:15 ○宮木
17:19 ○辰野
17:26 ○川岸
17:31 ○岡谷

計93駅

所要時間:6時間49分

 

なんじこりゃ

 

超基本的なことですが、途中で食料を補充できる駅が限られている(ほとんどない)ので、事前に水分と食料はしっかりと貯めておいてください。

 

 

豊橋駅を出発 10:42

 

撮影は伊那大島駅です飯田線

 

車両は2両編成のボックス席です。7時間近くという長時間を走り続けるため、トイレが常設されています。

 

休日土曜日の昼前ということもあり、沿線住民の方だけでなくカメラを持った鉄道ファンも多く、出発直後はボックス席がすべて埋まって立つ人が出るほど混んでいました。

秘境駅で有名な路線だけあって、予想以上の混雑でした。

 

豊橋駅を出ると、まずは住宅街や田園風景が続きます。

秘境駅が密集する山岳地帯はまだ先です。

 

飯田線①

 

本格的に山奥に突入していくのは、長篠城駅あたりから。

そして面白かったのは、観光客に配慮してくれたのか、車掌さんが車内放送で名所解説をしてくれたところ(笑)

車掌さんによると、長篠城址は長篠駅手前の進行方向から見て左側に見えるのだそう。

 

長篠城駅

 

下は、長篠城駅手前で見える天竜川の様子です。

地元の親子連れが遊んでいるなど、のどかで涼しげな様子でした。

 

天竜川の様子②

天竜川の様子①

 

スピードを上げることもなく、時速40~50km程度でのんびりと秘境駅のある山岳地域に進んでいきます。

また、時々反対列車待ち合わせがあり、さらにのんびりしています。

 

 

長篠城駅あたりから本格的に山岳地域に入る

 

さて、このあたりからが本番です。

ここからは待ちに待ったザ・飯田線、つまり秘境駅がたくさんある山岳地域に突入していきます。

 

飯田線で面白いのは、単に秘境駅であるだけでなく、駅名が難解過ぎて読めないということ。

駅名クイズを書き出しておくので、読めるかどうか試してみて下さい。

⇒出馬、水窪、大嵐、伊那小沢、為栗、沢渡

※他にも難解な駅名があります。秘境駅を見るだけでなく、駅名にも注目するとさらに面白いはず。

 

 

・出馬駅

 

確かに読めますが、皆さんが想像している読み(=しゅつば)ではありません。

”しゅつば”でなければどう読むのか?

 

因みにですが、次の上市場駅との距離は0.6kmということ、利用者が少ないことから、普通列車ですら一部通過扱いになることも(笑)

 

IMG_20170826_123622-1305x979

 

次第に向こうの山との距離が近くなってきて、田舎臭が強くなってきます。

下の写真は天竜川です。飯田線と天竜川は並走しているので、終点の岡谷駅までご一緒することになります。

 

天竜川の様子③

 

このあたりになると無人駅祭りになってきます。無人駅しかない。

 

後ろの車両から下車した人の切符を確認するため、車掌さんが電車を降りて、駅中をひっきりなしに走り回るようになります。

ワンマン運転みたいに、出口を1カ所にしたらいいのにと思うんですが、どうなんでしょう?

 

電車から天竜川を見下した天竜川の様子④

天竜川の様子⑤

 

 

・城西駅

 

城西駅を出てすぐにある鉄橋が面白いです。

鉄橋とは基本的に左岸と右岸をつなぐものですが、何とここの鉄橋は左岸と左岸を繋いでいるのです。

通称”渡らずの鉄橋”と呼ばれています。

 

なんのこっちゃだと思うので、ウィキペディアからお借りした画像を下に掲載しておきます。

確かに”渡って”いませんね。

 

渡らずの鉄橋

スポンサーリンク

・水窪駅

 

駅名テストに出題したぐらいなので、当然ながら”みずくぼえき”ではありません。

”みさくぼえき”と読みます。

 

個人的にきれいな景色が見れる駅1位です。

下の写真は、私のお気に入りのショットです。

 

水窪駅の様子②

水窪駅の様子③

 

駅から水窪駅周辺の町が一望でき、雄大な感じが気に入っています。

 

 

・大嵐駅

 

もちろん、おおあらし駅ではありません。

 

もう読解不能!

 

大嵐駅①

 

読ませてください、、、

 

 

・小和田駅

 

秘境駅として鉄道ファンに知らない人がいないほど有名な駅。秘境駅ランキングで上位に入賞する実力駅です。

 

秘境たるゆえんは、周囲を天竜川と山に囲まれており、脱出不可能なところ。

※どうしても駅から出たい場合は、数十分かけて登山しなければいけませんが、それはもはや駅ではなく牢獄。

 

(秘境であるにもかかわらず)降りて撮影する鉄道ファンが多く、時間も限られていたので、いい写真が撮れませんでした、、、

 

大嵐駅②

大嵐駅③

 

なお、茂みの向こうに見える緑の池みたいなのが天竜川(ダム湖)です。佐久間ダムにより流れがせき止められ、ため池みたいです。

そして私たちの背後は完全な山なので、出口がありません。

 

もともと駅下は集落だったのですが、ダムの完成(1956年)によって水没させられ、駅と少しの集落だけが残ったという歴史があります。

それが秘境たるゆえんです。

 

 

小和田駅は実際に行って体感してみて下さい!

哀愁漂う「愛のイス」や「木造の駅舎」など、名所が盛りだくさんです。

本数が少なく数時間待つこともありますが、楽しめること間違いなしです。

 

 

・中井侍駅

 

何だかへんてこりんな駅名。

でも読みは案外普通で、”なかいさむらいえき”です。久しぶりに何とか読めそうな駅名です。

 

なお、別に駅前に侍が立っているわけではなく、”普通の”秘境駅です。

※2014年度の1日平均利用者数は7人。

ただ先ほどの小和田駅と違って、周辺にはいくつか民家が点在しています。

 

仲居侍駅①

 

※プライバシーの観点から顔を隠しています仲居侍駅②

 

秘境駅なので利用者が少ないのは当たり前ですが、”生活感”が全く感じられず、山奥にある廃駅のような雰囲気しかありません(笑)

 

 

・伊那小沢駅

 

またまたまmtまmtmt読めません。

 

伊那小沢駅①

 

私的にはおすすめです。

駅が天竜川から高いところにあって景色がきれいですし、反対列車待ち合わせのために長時間撮影できることがメリットです。

 

伊那小沢駅②

伊那小沢駅③

伊那小沢駅④

 

 

・為栗駅

 

お決まりのパターンですが、読解不可です。

 

答えは、、、

 

為栗駅①

 

為栗駅到着の直前には、進行方向の左側から天竜川を一望することができます。

 

為栗駅②

為栗駅③

 

小和田駅と同様、この駅下ももともとは集落でしたが、平岡ダムの完成によって水没しました。

移住を余儀なくされた住民の悲しい歴史があることもお忘れなく。

近くに天竜橋というつり橋があり、電車を降りれば見に行くことができます。

 

因みにですが、この駅の近くに天竜川の支流として「万古川」という川が流れています。読み方は、、、想像にお任せします。

 

さて、為栗駅あたりを越えると次第に家や学校が見え始め、人の臭いがしてきます。

 

(たしか)温田駅の手前橋

 

しかし、秘境ゾーンはまだ終わりではありません。

数駅進むとまた秘境ゾーンに戻ります。

 

 

・金野駅

 

久しぶりにちゃんと読める駅に出会いました。皆さんの予想通り、”きんのえき”です。

この駅も絶景で有名です。

 

※プライバシーの観点から顔を隠しています金野駅①

金野駅②

スポンサーリンク

天竜峡駅に到着

 

金野駅を過ぎて電車に揺られると、すぐに折り返し地点である天竜峡駅に到着します。

「まだ折り返しか、、、」と一瞬がっくりしますが、そんなこと考えては帰る前に死んでしまいます。考えない考えない。

 

天竜峡駅の様子

飯田駅

 

天竜川駅や飯田駅を越えると、言い方が少し悪いですが、多くの人にとって後は”消化試合”になります。

他の路線と比べれば、雄大な山の中を走る景色はきれいですが、伊那小沢駅や為栗駅のような山の中の秘境駅はなくなります。

 

しかし、ここからでも面白いのが飯田線です。ここからは”山岳路線もどき”に変化します。

 

このあたりからは急カーブや激しい高低差、こまめにある駅、ゆっくりした速度、など山岳鉄道の要素が満載です。

複数の私鉄を統合したことが理由だと思いますが、この七変化はなかなか魅力的です。例えばラーメンでも味が飽きたころにコショウを振りますが、飯田線もこれと同じで、飽きたころに変化します(?)。

 

そして天竜峡駅以北は、利用者がほぼいないさっきの閑散区間と違って、しっかりと周辺住民の生活の足になっています。

全く関係ない立場の私ですが、少しうれしくなりました。

私が乗っていた土曜日の夕方は部活帰りの中学生が多く、結構人が乗っていました。

 

生活の足としての飯田線①

生活の足としての飯田線③

生活の足としての飯田線②

生活の足としての飯田線④

 

山岳鉄道的な面白さ

先ほども紹介した通り、急カーブや激しい高低差、こまめにある駅、ゆっくりした速度など、飯田駅以北の飯田線は山岳鉄道っぽい要素がたくさんあります。

 

このあたりの路線は本当にグニャグニャ。迂回ルートが多すぎて、進んでいるのか疑問になるほど。

その中でも特に面白かったのは、下の駅。伊那本郷駅です。

 

 

駅周辺の”凹”が気になりませんか?

 

私もここが疑問でしたが、実際に通ってみると、線路の歪んた部分(凹)は台地になっていて、高低差を避けるためにこんな線形になったようです。

私以外の鉄道ファンは、秘境ルートが終わると休んでいる人も多かったですが、実はこのあたりも非常に面白いですね。もったいない。

 

なお、伊那本郷駅の2駅後に田切駅という駅があります。

ここのカーブも秀逸で「田切のΩカーブ」と呼ばれ、有名な撮影スポットとなっています。

 

下のような曲線ルートを、線路と車輪が擦れる音とともに、ゆっくりと進んでいきます。

 

急カーブはもっと曲がっています
グネグネの線路

グネグネの線路②

 

下の写真では、奥に小さく線路が見えます。実際は写真以上に近く感じられ、線路もかなりカーブしています。

伊那福岡駅の手前です。

 

奥に線路が見える

 

ここに来てまた読めない駅名が出てきました。

 

 

沢渡駅

 

 

どう読むでしょうか?

 

沢渡駅

 

その名も”さわんど”。

「ん」が入っちゃいました。読めない。

 

沖縄方言では、「しまびと(島人)」と書いて「しまんちゅ」というので、「さわど(沢渡)」と書いて「さわんど」みたいな感じでしょうか?

もう分からん、飯田線。

 

 

岡谷駅に到着 17:31

 

岡谷駅①

岡谷駅②

 

そうこうしているうちに終点の岡谷駅に到着です。

10:42発の列車に乗って到着は17:31。合計所要時間は6時間49分と、ほぼ7時間です(笑)

ただ秘境や山岳鉄道感を楽しめたので、乗り終わってみると思っていたほど疲れは感じませんでした。

 

 

最後に

 

飯田線で有名な秘境駅が多い山岳区間は、長篠城~天竜峡です。

それ以外の区間は、利用者は少ないとはいえ、立派な地域住民の方の足となっていました。

 

個人的に気になったのは、一部の鉄道ファンのマナーです。

4人掛けのボックスシートに足を延ばして席を占領していると、普段から使っている地域住民の方が座れません。実際、私の目の前に座っていた地域の方2人が不満を言っていました。

鉄道に乗るからには、それを普段から支えている地域の方々へ敬意を払いつつ利用するのも鉄道ファンとして当然です。

人が増えてきたら荷物を網棚に載せるなど、地域住民の方にも配慮しつつ、秘境駅を楽しみましょう。

 

実はこの後、終点の岡谷駅から数駅離れたところにある下諏訪駅に行ってきました。

下諏訪駅から近いところに、映画『君の名は。』の聖地である立石公園があり、映画に関係なく超絶景でした!

 

ではでは、、、

スポンサーリンク

_

関連記事もどうぞ

シェアしてもらえると大喜びします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です