網走監獄を2倍楽しめる予習ポイントをまとめました
こんにちは。キング・ブログ・スライムです。
12月初旬にかけて北海道を周遊する旅行に出かけていました。
今回使用している交通手段はJR。「ひがし北海道フリーパス」を使うと5日間JRの特急が乗り放題になり、北海道周遊が一気に楽になります。
周遊旅行で訪れたのは、札幌や小樽、旭川、網走、帯広など各地域の主要都市。
前日は、旭山動物園でペンギンに癒されてきましたが、今日は北海道の網走にある「網走監獄博物館」にやってきました。
冬場に行ったので、(良くも悪くも)当時の囚人がどれだけ辛かったのか知ることができました。
気温が低くて足先が常にキンキンでした!(笑)
さて、実際に行ってみて分かったのは、監獄を楽しむには少し勉強が必要だということ。
ポスターなどでよく見る一番有名な「舎房及び中央見張所」は、立て看板などの解説がほとんどありません。
ガイドさんの説明を聞いた方が面白いのですが、無料ガイドさんがいるのは夏場だけ。
冬期はガイドなしですし、夏期のガイドも1日に3回(10:00~、11:30~、14:30~)とそれほど多いわけではありません。
何時間もかけて有名な観光スポットにやってきて、何となく見て帰るだけでは勿体ないですよね。
さて、今回の記事では、事前の予習用として面白い点や知っておくべきポイントを、写真を交えて解説しようと思います。
網走監獄を楽しむポイント!
・予備知識があると、もっと楽しめます(この記事で分かりやすく解説します)
・テレビや雑誌でよく見る”あのシーン”は、「舎房および中央見張所」です
・夏期シーズンは無料ガイドツアーがありますが、冬期は実施されません
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基本情報
・場所:北海道網走市呼人1−1
※アクセス悪っ!と思うかもしれませんが、そもそも監獄なので、網走駅前のような好立地にあったら、セキュリティや治安の点で望ましくありません(笑)
監獄に行く以上、辺鄙なところにあるのは覚悟しましょう!
・アクセス
自動車の方⇒駐車場は無料です。乗用車400台、大型バス21台、駐車可能です。
電車の方⇒観光バスは、1日約6本運行されています。
JR網走駅から約15分で、片道240円。ワンデーパスは800円で販売しているようです。
詳しい情報は⇒『定期観光バス | 網走バス』
・営業時間
※夏期と冬期で営業時間が違っているので、注意してください。
5月 – 9月 | 8:30 – 18:00 |
10月 – 4月 | 9:00 – 17:00 |
・入館料金
大人 | 1,080円 |
大学・高校生 | 750円 |
小中学生 | 540円 |
団体割引 | 20名様以上 2割引 |
福祉料金 | 540円 |
網走市民割引 | 2割引 |
インターネット割引券 | 10%OFF |
※割引券はこちらから!⇒『10%割引券(PDFで開きます)』
なお、印刷してもいいですし、スマホの画面を見せるだけでも割引を受けられます。
・監獄マップ
事前に予習用として見る⇒『網走監獄散策マップ』
札幌から網走の移動方法
(札幌~網走間で運行される特急大雪です)
本題に入る前に少し追記。
札幌~網走の移動手段には、バスとJR特急、飛行機の3種類があります。
飛行機はこの中で最も早いですが、片道で2万円以上必要なので、今回はバスとJRを比較します。
JR特急は高い印象(往復の定価運賃:7970円)がありますが、「びゅうJRで行く国内ツアー|えきねっと」から事前ネット予約(1か月前~当日の午前1:40の期間)すると、定価の50%オフの3980円で札幌~網走の片道特急指定席券を購入することができます!
札幌~網走のバスが片道で6500円前後ですので、値段的にもJR特急の方がかなり安く、所要時間もバスより1時間ほど早い5時間20分で行くことができます!
ポイント
★予約先サイト⇒「びゅうJRで行く国内ツアー|えきねっと」
移動後、左上にある「きっぷ予約・変更」→「トクだ値」に移動して予約してください。
★参考サイト⇒『えきねっとトクだ値の詳細な説明(PDF) | JR公式サイトより』
※ネット限定なので、みどりの窓口では予約ができません。
実際に行ってみた
今回は鉄道の旅だったので、網走駅からはバスで移動します。
網走駅から網走監獄博物館に向かう途中には、網走刑務所があります。
もちろんこちらは”本物”の刑務所ですので、間違って降りないように注意してください。
10分ほどバスに揺られると、網走監獄博物館前に到着します。
バス停がある駐車場から坂を少し上がると、刑務所に行く前に鏡橋という木製の橋が目に入ります。
この地で強制労働させられた囚人は、投獄されるときも出所するときも、この橋を通らなければいけませんでした。
監獄入口です。左の料金所で入場券を買って入場します。
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網走監獄に収監!
入場するとすぐに正門があります。
待合室に置いてあった人形がやたらリアルで、一瞬本物かと思って驚きました(笑)
監獄マップの「④庁舎」です。
博物館側の説明では、ここで先に開拓や刑務所の歴史について軽く勉強してから、全体を回るといいとのことでした。
内容を軽く要約(予習にお使い下さい)
・監獄が置かれたのは網走だけではない。空知や帯広、釧路、樺戸にも設置された。
・北海道に刑務所が置かれたのは、北海道の開拓を早めて、ロシアの進出を防ぐためだった。
・網走に投獄された囚人は、北海道の中央道路約200km(≒旭川~網走の間)の開削に携わった。
・「北海道の開拓は半分が囚人たちの尽力によってなされた」と言っても過言ではない。
味噌蔵・醤油蔵です。
自給自足が基本とされていた網走監獄では、味噌や醤油すら囚人たちが自前で作っていました。
園内にはエゾリスがいました!それも複数匹!
上の写真はちょうど木の実(たぶん栃の実)をかじっているところです。可愛らしいので探してみてください。
当時の監獄飯と囚人の様子です。マネキンがやたらとリアルで一瞬ゾクッとします。
現代の我々からすれば、ご飯とみそ汁、漬物の3品しかなくずいぶん質素な食事ですが、当時の囚人にとっては唯一の楽しみだったんでしょうね。
舎房および中央見張所
網走監獄で最も有名なのが、5棟の平屋が放射状に広がっている「舎房及び中央見張所」です。
ここには全体的に案内が少なく、どんな施設がどのように使われていたのか、どんな脱獄犯がいたのか、など当時の詳細な情報を知ることができません。
そのため、この見張所を楽しむためには、ガイドの方の話を聞いてみることをおすすめします(夏期限定)。
しかし、冬期営業に入ると無料ガイドはいなくなります。
私の場合、幸いなことに近くに団体のツアーガイドの方がいたので、(しれっと団体に紛れて)隅から隅まで話を聞くことができました。
時間の都合などでガイドの話を聞けない人もいると思うので、ここで軽く解説しておこうと思います。
予習用としてお使いください!
入ってすぐに見えるのは中央見張所です。建物の形状から分かる通り、中心の一カ所から5棟すべてを見通すことができました。
これはベルギーにあるルーヴァン監獄を模したものだとされています。
監獄舎房の柱です。全て木組みで作られており、釘などは一切使っていません。
クギやネジは、囚人に脱獄の道具として悪用される可能性があるためです(例えば、くぎで木の床をこじ開けるなど)。
部屋(房)には雑居房と独身房があります。
罪が重い人や要注意人物(脱獄を頻繁に図る人など)は独身房、それ以外は独身房に入れられました。
網走監獄の紹介としてよくテレビや雑誌の紹介で見るシーンは、恐らくこの「舎房および中央見張所」だと思います。
木造行刑建築物(行刑建築物とは、刑務所のことです)としては、世界最古で最大の規模があります。
皆さん気になるのは、北海道の刑務所だということで、冬場の気温だと思います。
当時の真冬は今よりも寒く、氷点下30度まで下がることもあったそうですが、50m以上ある長細い舎房のなかに暖房としておかれたストーブはたった2台。
たったの2台です……
部屋の中は氷点下10度近くまで下がり、囚人たちは寒い冬を過ごしたとそうです。
パイプを使って平等に暖が届くようにするなど、暖の取り方には非常に神経が使われました。
確かに「あいつの部屋のほうが暖かい!せこい!」とか言ってすぐにケンカになりそうですよね(笑)
囚人がいる部屋から廊下が見える内窓は上部に設置されているため、囚人が外を見ようとしても天井しか見えない構造になっています。
これは、囚人同士で合図を取り合って脱獄するのを防ぐためです。
囚人が投獄されている部屋と廊下の間の壁となる木が斜めに設置されているため、正面から見ても前を見通すことができなくなっています。
これも仲間内の連携を防ぐ目的です。
斜めから見ると、斜め右側の房は見通すことができます。
外にいる看守に伝言があるときは、上の写真のように、部屋の表札を内側から引っ張り、立たせることで看守に合図をしていました。
一部の舎房では表札を実際に引っ張れるので、現地で試してみて下さい。
網走監獄を含む4つの刑務所で脱獄を繰り返したとされる脱獄魔S氏を模したマネキンが、天井をよじ登っていました。
彼の脱獄は漫画のように面白いエピソードが満載であるため、実際に小説化されています。
彼は、一つ前の刑務所で既に脱獄を犯していたため、網走に来たときには、厳重警備の中で独身房に入れられます。
脱獄犯として刑務所から監視されているだけあって、なかなか脱獄できるチャンスはありません。
そんな厳しい警備のなか、彼はどうやって脱獄を図ったのでしょうか?
写真は、彼が投獄されていた部屋と同じタイプの部屋で、扉には頑丈な鉄格子が備え付けられています。力づくで壊そうとしてもびくともしません。
彼は食事として与えられるみそ汁を毎日少しずつ垂らして、塩分で少しずつ鉄を錆びさせ、鉄格子を破ったそうです。
ガイドの周りにいたお客さんたちは、「すごいな(笑)」と笑いが混じりつつも驚いた反応をしていました。
網走監獄博物館に行くときは、今書いた記事を参考にしてもらえると幸いです!
≪周遊先の記事はこちらです≫
★レポートしてみた観光地
小樽『ビール製造の無料見学 in 小樽倉庫No.1』、札幌『JRタワー展望室から見た絶景の夜景』、旭川『旭川動物園のポイントを紹介』、川湯温泉『硫黄山(アトサヌプリ)に行ってみた』『レトロなカフェ「オーチャードグラス」』、釧路『和商市場の勝手丼は高い』、帯広『日本で唯一のばんえい競馬』
★使ったきっぷなど
『5日間特急乗り放題のひがし北海道フリーパス使ってみた感想』『ひがし北海道周遊の体験記』
以上です!
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